2025年12月28日 降誕後第1日
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| Gentile da Fabriano - Rest during the Flight into Egypt.1423,ウフィツィ美術館、フィレンツェ. |
「あと何回会えるのだろう」と思うと親と過ごす時間が愛おしく思えてきます。この秋も母と二人で奈良の秋篠寺まで歩きました。何歳になっても私の存在を喜び、案じ、力づけてくれます。(そうではない親子関係を、神よ、癒して下さい)
4世紀の教父アタナシウスにまで遡る今日の特祷は、クリスマスの受肉を祝います。そして神が人となったように人が神となる「神化」を祈ります。現行祈祷書では「神性に与かる」ですが、改正祈祷書では「神の子とされますように」です。つまり神の本質は親子愛なのです。「神化」とは決して人間離れした存在になることではなく、神の親子愛に与かり、最も人間らしくなることです。神と人は競合しません。
親子関係が神の本質であるのは、神が父と子と聖霊という三人で一体の神だからです。(それが聖霊) 父は子を喜び、案じ、力づけます。イエス様にとって父の愛はどれだけ慈悲深く、声を聴き、涙もろく、悪に厳しく、力強く、無償に自分を与える愛だったでしょうか。
だから子なる神は父を愛し返し、父の思いを果たそうと人となられました。その願いは、十字架と復活で人類と「死と命の交換」をし、神の親子愛に受け入れることです。イエスさまはそれを実行されたのです。
このお方に結ばれた人は、神の親子愛に入り、神の子とされます。生まれながら「本性として」神の子なのはキリストだけですが、私たちはキリストの十字架と復活を通して「恵みによって」神の子とされます。どれだけ神と無関係であり、いや神に敵対していた人でも、主を信じて悔い改めるなら、神の養子にしていただける。何という喜び!!
そして私たちは神の子として兄妹になります。「イエスは彼らをきょうだいと呼ぶことを恥としない」(ヘブ2:11)神の子イエスの弟、妹として父に愛されている神の兄妹です。信徒は神の「兄弟姉妹」です。
それはちょうど聖餐で裂くパンのようです。「私たちは多くいても一つの体」です。神の親子愛は全ての人を一つにする神の家族愛の交わり、コミュニオンとなります。私たちはその交わりを広げるのです。
「父の愛はどれほど深いか。あの人もこの親子愛に入れなさい。」

