2026年7月26日聖霊降臨後第9主日(特12)聖餐式
神さまは主婦のような存在だとイエスさまは教えました。天の国、つまりご自身を通して来る神の支配はパン種のようだと。小麦粉にパン種を混ぜてこねると、パン種は静かに知らない間にパンを大きく膨らませる。ここでは38ℓの小麦粉ですから100個もの美味しいパンができます。それは普通の食卓ではなく、大宴会です。神の国の譬えである天の大宴会です。
これはまず、からし種の譬えと共に、神は小さい信仰共同体を予想を超えて大きくするという「量」の驚きと励ましを意味します。
しかし量だけではありません。当時のパン種は今のドライ・イーストではなく古いパンを発酵させたもの(パン種)でした。発酵と腐敗は紙一重です。ほんの少し湿度や温度が違ったり、意図しないで接触したりすれば、パン生地は悪くなります。ですから聖書でパン種は「悪い影響力」の譬えでした。「ファリサイ派やヘロデ派のパン種に注意しなさい。」(16:6)「悪意と邪悪のパン種を用いないで、パン種の入っていない純粋で真実なパンで祭りを祝おう。」(1コリ5:8) 過越祭ではパン種を家から取り除く律法がありました。(出12:15)
この「腐敗しかけた」古いパンを主婦なる神がこの世に隠すと、神の力が働き神の国が膨らむ。「腐ったパン」で美味しいパンが膨らみ天の宴会が用意されるのです。
ここにあるのは質の変化の驚きです。腐った、悪い、良くないと思っていた人物が、神によって「万事が共に働いて益となり」神の国を膨らませる驚きです。(ロマ8:28)
例えば、ある夫婦は仲が悪くて、三人の子供への影響が心配されたのに、結果的に子供らは親を反面教師としてとても仲が良くなり、兄弟愛を膨らませました。
またはパウロはクリスチャンを迫害し、殺すことにも加担していた悪人だったのに、神はそんな腐った人物を用いて神の教会を膨らませました。
また、すぐにめげて「腐る」私をも父は何とか用いて天の宴会のパンを膨らませて下さる、と信じます。
この奇跡的な変化を可能にするのが、人間の腐敗を受けて死んで腐敗を滅ぼし、不死なる新しい命に変えた復活のイエスさまです。
懺悔と赦しで心の腐敗は感謝と賛美に変わります。聖餐の宴で、主の声を聞きましょう。「たとえ腐ったパンのような人でさえ、たとえあなたが腐ってしまっても、それでも私は用いて神の国を膨らませる。あなたは私の大切なパン種なんだよ。」

