2026年1月25日 顕現後第3主日
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| The Calling of Saint Peter and Saint Andrew, c. 1610.ビルバオ美術館,スペイン |
「甲子園に行く!」幾万といる野球少年の中で私は、奇跡的に夢が叶った数少ない一人です。満員のアルプススタンドからの声援の臨場感は、かつて約束した日からの長い年月が成就した喜びの現場でした。「夢が現実になって、今目の前に存在している!!」
そんな約束成就、夢が叶った臨場感を福音記者マタイはイエスさまに感じました。マタイが受け継いだ約束はBC7世紀の預言者イザヤの言葉です。メシア、油注がれた王を神が送り世界を支配する、と。
その王は都エルサレムの王宮からは出ません。ガリラヤから出ると約束されました。732年にアッシリア帝国に奪われ、重税が課せられ、貧しく、都からは主に見捨てられたと蔑まれていた「異邦人のガリラヤ」から出るというのです。ガリラヤとは「のどかな湖畔」ではなく「闇の中、死の陰の地」であり、だからこそ憐れみを受ける地です。
イスラエルの民は762年間このメシアの約束を忘れずに待っていました。その希望の視野にガリラヤ出身の大工が出て、民の苦しみを共にし、「闇と死の陰」を自ら背負い、エルサレムの十字架と復活で新しい命を始めました。ガリラヤは神の憐れみを知る地です。そして復活後に主は同じガリラヤで弟子達と再会し、異邦人宣教に遣わされます。憐れみを伝える宣教です。
イエスさまの存在をマタイは約束成就の現場だと喜びました。イエスさまの癒し、教え、生き方、存在そのものに圧倒的な臨場感を感じました。その臨場感が「天の国は近づいた」という表現であり、弟子が「すぐに網を捨てて従った」魅力です。このお方のうちに神が王として支配し、人を闇と死から解放している。「いま目の前」を感じるとき、メシアの約束は成就するのです。
「今目の前に」御体と御血を見て十字を切るとき、臨場感と共に、イエス様が約束を成就して現れます。 ガリラヤ闇の差し込んだ「ここにいるよ」という憐れみの光を世界の隅々にまで告げ知らせましょう。
「私は約束を果たし、夢を叶え、今あなたの目の前、あなたのガリラヤに現れる。さぁ、喜ぼう。」

