2025年11月30日 降臨節第1主日
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| 「剣を鋤に」Peter Koenig (司祭) |
ガザでは徹底的な破壊の後にやっと停戦が結ばれ、人道支援が再開されました。現代イスラエルの軍拡は恐ろしく、1千万人の人口で軍事費は日本と同等、加えて米国からの軍事支援があります。世界の諸国も軍拡に向かっています。
暴力を蓄える世界で信仰は何を語るのでしょうか。「あなたの罪は赦された」と個人の魂だけを扱っていればよいのでしょうか。
いや、違う。私たちの神は世界の暴力と不正に無頓着ではなく、国々を裁く王です。イザヤは目覚めるべき終わりの時を預言します。「主は国々の間を裁く。」(2:4)そして生きるべき「道」を示すと。(3)
その道は「平和」(詩122)。その道は700年後にイエスさまがエルサレムの十字架で表した、非暴力による命、平和の支配、愛です。
愛による平和の時代が来る。これはこの世の理想としての「戦争放棄の理念」に留まりません。この世を超えた終わりの時の平和、来るべき新しい世です。当然この世的には荒唐無稽な「神の夢」です。ですがどれだけ絶望的でも、神の裁きと平和は必ず実現する、と信じるのが現実を生きる信仰です。
神の平和が人を治めるとき「剣を鋤に、槍を鎌に打ち直す」神の夢が実現します。(表紙絵では銃がトラクターの刃になり、女性らは麦を植えてパンを手にします。)
十字架で人間の暴力を受けて復活した主は「愛の炉」です。武器を溶かし、命を養う農具に変容させます。愛の力で、世界中の暴力を悔い改めさせ、回心させます。
降臨節に終わりの時を待ち望みましよう。その時には神の平和が来ます。武器や軍事国家だけではなく、わたしとあなたの魂も、十字架の愛によって溶かされ、打ち直されます。命を養う器に変容されます。
「あなたの暴力は私が引き受けた。そして私が溶かす。人を傷つける武器を、人を養う農具へ。だからあなたは、命を養う人になれ。」
暴力を愛で溶かす神を信じて、平和の挨拶を交わし、時の終わりを早めましょう。 「主の平和!」

