わたしのきょうだい「見なさい、ここに私の母、わたしのきょうだいがいる」 (マルコ福音書3:34)

2021/06/05

ある食卓で「うるさい」と思春期の入り口に立つ息子に言われました。ショックを受け、怒りました。(おそらく私が彼の心の境界線を尊重しなかったのが悪かったのでしょう・・・。)


イエスさまの母ときょうだいは、その何倍ショックを受け、悲しみ、怒ったことでしょうか。働き盛りの大黒柱である長男イエスが、30歳で家族も故郷も捨てて過激なカリスマ預言者の洗礼を受け、砂漠で修行し、自ら弟子を集めて、癒しと悪魔退治の旅を始めたのです。「汚れた霊に取り憑かれている」と噂されています。そこで家族は故郷に連れ戻すために、群衆が集まる家まで来たのです。


そこでイエスさまは外で待つ家族にこう宣言しました。「私の母、私のきょうだいとは誰か。」つまり「あの人らは自分の家族ではない」。外の家族はどれだけ怒ったか。そして、中で共に座っている人々を見つめて言いました。「見なさい、ここに私に母、わたしの兄弟がいる。」見つめられた人はどれだけ嬉しかったか。このイコンの様です。


家族は良くも悪くも運命共同体です。良ければ、喜びを二倍にし、悲しみを半分にする素晴らしい存在です。ですが悪ければ、自己中心的に結ばれて、自分の家族以外の他者への敬意を忘れてしまいます。例えば、子どもの喧嘩に親が出てきたり、実のきょうだい同士の対立や、女友達や男友達同士の喧嘩に、その相方の夫婦が絡んできたり…。


イエスさまはすべての家族を裏返しにされます。家族に先立って一人一人に呼びかけられます。「自分の家族を一度すべて止めなさい。そして一人一人を愛してやまない「父」を中心にすべての人を父の家族として捉え直しなさい」と。


「きょうだいよ、私があなたたちの長男だ。一緒に父に祈ろう。アッバ、父よ。」


---------

イコン「キリストと修道院長メナス」 8世紀、57cm x 57cm アポロ修道院跡(エジプト)から発掘、ルーブル美術館蔵。

https://en.wikipedia.org/wiki/Icon_of_Christ_and_Abbot_Mena

このブログを検索

そのほかのメッセージ

ラベル

復活 十字架 神の愛 聖餐式 イエス 信仰 受肉 祈り 三位一体 神の国 聖霊 アッバ 癒し 赦し キリスト 委ねる 悔い改め 救い 自分らしさ アブラハム クリスマス ゲセマネ 勝利 召命 変容 恵み 悪霊 教会 昇天 神の子 羊飼い 解放 ぶどう園 インマヌエル ゲッセマネ 兄弟姉妹 喜び 大祭司 奇跡 嫉妬 子ども 弱さ 忍耐 悔い改め、荒れ野 悪魔 感謝 放蕩息子 洗礼 洗礼者ヨハネ 神の支配 行い 過ぎ越し 陪餐 うつ かみのくに からし種 み名 み心 アダム イスラエル エリヤ ガリラヤ サマリア人 ザアカイ スキャンダル タラントン タリタクム トマス パン裂き ピスティス ペテロ ペトロ マリア マルタ メシア ヤイロ ユダ ユーカリスト ラザロ 不安 不正な管理人 主の祈り 今ここに 伝道 信頼 偶像 共感 再創造 再臨 出エジプト 創造主 十戒 受難 境界線 天国 奉仕 奉献 婚宴 宣教 希望 平安 律法学者 従順 忠誠 憐れみ 懺悔 成就 戒め、山上の説教 承認欲求 招き 新しい創造 最後の晩餐 栄光 楽園 権威 歴史 毒麦の譬え 洗足式 灰の水曜日 無力 父、三位一体 独り子 生きる意味 疑い 病い 真理 礼拝 祝福 神の家 神の言葉 神殿 祭司 種蒔き 絶望 聖書 自己肯定 自由 苦難の僕 裁き 見失った羊 覚悟 親密さ 観想 記憶 誓約 誘惑 譬え 貧しい人 貧しい人、共有、復活 賜物 賢明さ 迫害 追放 重荷 障害 静けさ 食卓

自己紹介

自分の写真
大津市, 滋賀県, Japan
聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

日本聖公会京都教区 大津聖マリア教会

Wikipedia

検索結果

コメント

名前

メール *

メッセージ *

Tags

QooQ