覚えられている 「人は新たに生まれなければ、 神の国を見ることはできない」 (ヨハネ3:3) 三位一体主日B年

2021/05/27


こう宣言された老人ニコデモは聖書学者であり宗教指導者だった。それでも心では神に憧れ、夜に隠れて「神の御言、キリスト」に会いに来た。そこで「神は独り子を与えたほどにあなたを愛している」と聖霊による新しい命を告げられた。

 

そのときニコデモは「我に返った」(ルカ15:17)。本当の自分を思い出し、神を思い出した。神の内に新しく生まれる自分を意識した。自分の内なる神の似姿が新しくされるのを理解し、過去も今もこれからも、決して自分を忘れず覚え、愛し続けてくださる神を、愛し返し始めた。


古代の主教アウグスティヌスが教えるには、私たちは三位一体の似姿に造られ、修復され、新たにされ、神の命に与かる。私たちは、神に愛されている自分自身を覚えて意識し、言葉で理解して表現し、肯定して愛するとき、神の似姿になる。「自分の記憶と、理解と、愛」こそ心に彫り込まれた父と子と聖霊なる三位一体の似姿だと。


難解なアウグスティヌスの「三位一体論」の中心は「記憶」だ。私が「我に返って」本当の自分を思い出し意識する時、私は神を覚えて意識している。神の内にいる自分を思い起こす心、それが父の似姿だ。それを父が与えたのだ。父なる神はいつもあなたを忘れず、記憶し、覚えていて、罪に汚れたときには救って下さる。これが父の愛だ。聖霊だ。そしてこの愛を理解し、命がけで表現したのがイエスさまだ。


ニコデモを、あなたを、父はいつも覚えている。あなたはいつも父の瞳の中にいる。その眼差しの中で、神に愛されている本当の自分をいつも覚え、理解し、愛そう。


「あなたを造った私自身が、あなたの内の似姿を新たに生まれさせ、神の国を見せるから。」


-------------------


「聖アウグスチス」フィリップ・ド・シャンパーニュ,1602,

ロンサゼルス・カウンティー美術館(LACMA)、米国


https://sco.wikipedia.org/wiki/Augustinus#/media/File:Saint_Augustine_by_Philippe_de_Champaigne.jpg

このブログを検索

そのほかのメッセージ

ラベル

復活 十字架 神の愛 聖餐式 イエス 信仰 受肉 祈り 三位一体 神の国 聖霊 アッバ 癒し 赦し キリスト 委ねる 悔い改め 救い 自分らしさ アブラハム クリスマス ゲセマネ 勝利 召命 変容 恵み 悪霊 教会 昇天 神の子 羊飼い 解放 ぶどう園 インマヌエル ゲッセマネ 兄弟姉妹 喜び 大祭司 奇跡 嫉妬 子ども 弱さ 忍耐 悔い改め、荒れ野 悪魔 感謝 放蕩息子 洗礼 洗礼者ヨハネ 神の支配 行い 過ぎ越し 陪餐 うつ かみのくに からし種 み名 み心 アダム イスラエル エリヤ ガリラヤ サマリア人 ザアカイ スキャンダル タラントン タリタクム トマス パン裂き ピスティス ペテロ ペトロ マリア マルタ メシア ヤイロ ユダ ユーカリスト ラザロ 不安 不正な管理人 主の祈り 今ここに 伝道 信頼 偶像 共感 再創造 再臨 出エジプト 創造主 十戒 受難 境界線 天国 奉仕 奉献 婚宴 宣教 希望 平安 律法学者 従順 忠誠 憐れみ 懺悔 成就 戒め、山上の説教 承認欲求 招き 新しい創造 最後の晩餐 栄光 楽園 権威 歴史 毒麦の譬え 洗足式 灰の水曜日 無力 父、三位一体 独り子 生きる意味 疑い 病い 真理 礼拝 祝福 神の家 神の言葉 神殿 祭司 種蒔き 絶望 聖書 自己肯定 自由 苦難の僕 裁き 見失った羊 覚悟 親密さ 観想 記憶 誓約 誘惑 譬え 貧しい人 貧しい人、共有、復活 賜物 賢明さ 迫害 追放 重荷 障害 静けさ 食卓

自己紹介

自分の写真
大津市, 滋賀県, Japan
聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

日本聖公会京都教区 大津聖マリア教会

Wikipedia

検索結果

コメント

名前

メール *

メッセージ *

Tags

QooQ