躓きやすい譬えだ。悪い番頭が主人の財産を「無駄遣い」し、それがバレた。そこで番頭は自分の保身、という不純な動機から知恵を尽くした。「どうしようか…こうしよう、追い出されても自分を迎えてくれる家を作ろう」。そして人々の主人に対する借用書を勝手に書き換えて負債を減らし、恩を売ったのだ。
本来はこんな悪人は審かれるべきだ。だが主人はその「賢い(抜け目のない)やり方をほめた」(16:8)。不純な動機は問わずに良しとした。おそらく主人は番頭をクビにしなかっただろう。なぜか。
それは直前の「放蕩息子の譬え」と重ねて読むと分かる。放蕩息子もまた父の財産を「無駄遣い」し、遠い国で飢えに苦しむ。そこで「我に帰り」、腹を満たすという不純な動機から知恵を尽くした。「そうだ、父の家にはパンが沢山ある。使用人になれば食べさせてもらえる」と。「父への謝罪」は後付けだ。
本来はこんなドラ息子は審かれるべきだ。門前払いだ。だが父は息子の姿を見るや否や、深く憐れんで家に迎え入れた。父は息子の不純な動機を問わず、良しとしたのだ。
悪い番頭は自分が生き残るために借金を許して回り、放蕩息子は父の家のパンを求めた。しかしその不純な動機は問われなかった。そして器の大きい愛に面したのだ。
私たちは純粋に神さまのために神さまを求めるべきだ。だが不純にも自分の救いのために神さまを求めても良い。神さまは動機を問わず愛して下さる。そして不純な心を、純粋な心に変えられる。
賢く、知恵を尽くして救いを求めよう。動機は不純でもいい。ただ必死に急いで救いを求めよう。そうすれば神さまは必ずほめてくださる。神さまがあなたを愛する器は無限に大きいのだから。
このブログを検索
そのほかのメッセージ
ラベル
愛
復活
十字架
神の愛
聖餐式
祈り
信仰
聖霊
イエス
受肉
神の国
三位一体
死
癒し
アッバ
悔い改め
赦し
キリスト
委ねる
恵み
救い
昇天
自分らしさ
アブラハム
クリスマス
ゲセマネ
兄弟姉妹
勝利
召命
命
変容
弱さ
悪霊
教会
父
神の子
羊飼い
解放
ぶどう園
インマヌエル
ゲッセマネ
体
出エジプト
創造主
喜び
大祭司
奇跡
嫉妬
子ども
宣教
忍耐
悔い改め、荒れ野
悪魔
感謝
放蕩息子
洗礼
洗礼者ヨハネ
神
神の支配
罪
行い
過ぎ越し
陪餐
Being
うつ
かみのくに
からし種
み名
み心
アダム
イスラエル
エリヤ
ガリラヤ
サマリア人
ザアカイ
スキャンダル
タラントン
タリタクム
パン裂き
ピスティス
ペテロ
ペトロ
マリア
マルタ
メシア
ヤイロ
ユダ
ユーカリスト
ラザロ
不安
不正な管理人
主の祈り
今
今ここに
仕える
伝道
信頼
偶像
光
共感
再創造
再臨
十戒
原罪
友
受容
受難
境界線
天国
奉仕
奉献
婚宴
安息
希望
平安
幸せ
律法学者
従順
心
忠誠
憐れみ
懺悔
成就
戒め、山上の説教
承認欲求
招き
敵
新しい創造
旅
最後の晩餐
栄光
楽園
権威
歴史
毒麦の譬え
洗足式
海
清い
灰の水曜日
無力
父、三位一体
独り子
現存
生きる意味
病い
真理
礼拝
祝福
神の家
神の言葉
神殿
祭司
種蒔き
絶望
聖書
肉体
自己肯定
自由
苦難の僕
裁き
見失った羊
覚悟
親密さ
観想
記憶
誓約
誘惑
誠実
譬え
貧しい人
貧しい人、共有、復活
賜物
賢明さ
躓き
迫害
追放
重荷
金
障害
静けさ
食卓
飢え
養い
自己紹介
- ヨハネ荒木太一
- 大津市, 滋賀県, Japan
- 聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。
Wikipedia
検索結果