神は温かい --「飼い葉桶の中にねている乳飲み子」 ルカ2:7 (C年クリスマスイブ)

2018/12/24



 寒くなりそうな夜は、体調を崩さぬよう温かくします。我が家では「米ぬかカイロ」を布団に入れます。
 しかしマリアとヨセフが赤ちゃんを温かくしようとしても、布と家畜のエサの「飼い葉」しかありませんでした。婚約者のではない子を宿したがゆえに、村八分にされ、宿屋には居場所なく、家畜小屋で出産したからです。そんな夫婦を神は選び、生まれて来ました。
 寒さに身を寄せ合う二人にとって、真っ赤に泣いて生まれ来た赤ちゃんは命の温かさそのものでした。神の命とは、冷たさの中で人を生かす温かさです。 
 ダンテの神曲によると、地獄とはもえ盛る炎ではなく、神の愛を拒む凍りついた冷たい湖です。クリスマスの神は、地獄のように冷たい心と人間関係をも温めて生き返らせます。赤ちゃんの温かさのように。
 さらに赤ちゃんは温かいと同時に弱い存在です。大人が愛して守ることを要求してきます。神はそうして私たちを冷たい人から温かく愛する人へと変えていかれるのです。神はあなたの冷たさをも必ず温めて変えられます。あなたのために神の子は生まれたのだから。

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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