これは弟子が驚愕した程の厳しさです。最も厳しい修道会でも完全に施し尽くすのは不可能です。一体誰が「わたしは十分献げました」と言って針の穴を通れるでしょうか。弟子らは正しくも「それでは一体誰が救われるのか」と問い「人には不可能な神の働きだ」と言われます。
しかしそれでもイエスさまは、捨てられず悲しむ金持ちを「慈しんで」見つめたように、私たちを愛して「金も自分も捨てて私と一緒に来い」と呼び続けます。財産は人を支配し自分自分に頼らせ、神に頼って分け与える生き方の邪魔になるからです。イエスさまは豊かな現代の日本人を厳しく批判するでしょう。
しかし財産について教えたイエス様は実は、財産どころか自分の命をも施す道を歩み始めたところでした。そして復活後、自分の体と血を与え続ける私たち教会に、同じ様に「自分を与え続ける共同体」になって欲しいと願われるのです。
献金も遺産も、このイエス様の導きに応えるチャンスです。さあ、献げて主について行こう。
