「自分の羊」ヨハネ福音書第10章14節 (B年復活節第四主日 )

2015/04/26


 羊飼いは過酷な職業です。昼間は羊を連れて草と水を求めて歩き回る。夜は囲いに羊たちを導き入れ、自分は一つしかない入口に身を置いて眠る。夜陰に乗じて狼が来た時は、入口にいる自分が真っ先に襲われる。そうして身を呈して羊を守るのがその使命です。
 実際に命を落とす羊飼いがいた。また逆に我先に逃げ、羊を狼に喰われた「雇われ羊飼い」もいた。その違いは、羊が自分に属しているかどうか。他人のものなら傷ついて守ることはない。逃げるが勝ち。しかし自分のだいじな羊なら、たとえ噛みつかれても、勝つ見込みがなくても、命を落としてもその杖で狼を追い払うとするでしょう。愛する自分の家族のためなら誰もがそうしますよね。
 牧師の自分にイエスさまが強烈に問いかけてこられます。「お前はどっちだ? 家族にするように、自分は傷ついても信徒を守る羊飼いか、それとも自分に都合悪くなったら逃げる雇われ羊飼いか」 
 そしてイエスさまは何度も言い聞かせます。わたしに、そしてご自身に。「わたしは自分の身を危険にさらしても、お前たちを守る善い羊飼いだ。お前たちはわたしの羊、わたしの家族、わたし自身なんだから」。神はあなたを自分自身のように大切にする。あなたが泣きたい時にはあなたより先に泣き、あなたが嬉しい時にはあなたと一緒に満面の笑みで喜ばれる存在です。
 だから死の力という狼に襲われたイエスは、決して逃げることなく戦われ、自分は殺されてもわたしたちを守られました。今、復活してわたしたちを導いておられるお方は、この羊飼いなのです。

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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