2026年9月13日聖霊降臨後第16主日(特19)
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| 「ヨセフと気づいた兄弟たち」Marc Chagall. 1931; |
ヨセフ物語は兄弟の確執と和解がテーマです。ヨセフは父ヤコブが遅くにもうけた子で、一番かわいがっていました。しかも「麦の束のように兄弟は自分にひれ伏す」という高慢な夢を見ます。そこで兄弟はヨセフを妬み、憎しみ、殺そうとします。ですが結局は利益の得ようとエジプトへ向かう商人に銀20枚で売りました。
その後ヨセフはエジプトで大臣に出世します。やがて飢饉が訪れ、穀物を得ようと兄弟は父にエジプトに遣わされ、そこでヨセフと再会するのです。ヨセフは兄弟に自らを明かし、しかし復讐せず、父ヤコブをカナンからエジプトへ迎えます。
今日の場面はヤコブが死んだあとです。兄弟は復讐を恐れ、嘘をつきます。「父の遺言は『兄弟は悪いことをしたが赦せ』であったと」。これは謝罪の困難さを表しています。正面切って自分の悪を認め、素直に謝罪することはとても難しいことです。しかし父の口を借りながらも、兄弟はここで「悪いことをした」と自分たちの悪を認めます。そして「赦して下さい」と赦しを乞います。
最近私は何十年も放っておいた過ちを謝罪しました。苦しかったです。結果、相手は忘れていました。でも無意味ではありません。自分で自分の責任をとるからです。神さまは「もういい、新しくなれ」と仰っておられるのかもしれません。
兄弟の謝罪を聞いた「ヨセフは泣いた。」色んな意味の涙です。一つは憐れみです。苦しみながらも兄弟が悪を認め、謝罪している姿に憐れみを感じたのです。(42:24も同様)。二つ目は自分の過去の傷の痛み、売られた悲しみの涙です。しかし三つ目に、涙の根本は和解の涙です。自分が赦すことで、とうとう兄弟と和解することができた喜びの涙。確執が長かったからこその、和解の喜びの涙です。
そしてヨセフは兄弟を赦します。全ての出来事を通して神が働いていると信じて、赦します。「あなたがたは私に悪を企てましたが、神はそれを善に変え、多くの命を救われた」(20)。兄弟は神の計画への信仰に基づいた赦しにどれだけ驚き、感謝を心に刻んだことでしょう。
十字架で神は泣いています。泣きながら傷つきながら、心から謝罪する人を憐れみ、赦し、喜びます。
懺悔で自分の非を認め、心から謝罪し、神の計画の内に赦され、新しい生涯を送りましょう。「もういい。忘れず、赦され、新しく、なれ。」

