心が弱く病んでいるとき、私はすぐに絶望してしまいます。「こんな状態で未来が見えないなんて、もう終わりだ」と。
そんな私がもし初代教会にいたら、真っ先に絶望していたかもしれません。それは反乱と戦争と破壊、そして厳しい迫害の時代だったからです。
ルカ福音書は紀元後85 年頃に書かれ、既に起こった紀元後70年のローマ帝国によるエルサレムの侵略と破壊を書いています。ですからここで「予告された」ことほぼ全て史実です。
5-6節は神殿の崩壊について、7-11節はそれまでに起こった出来事について書いています。反乱と独立を説く偽メシア、戦争や暴動、帝国の内紛、地震、飢饉、疫病、天変地異・・・
12-17節によればキリスト者迫害され、家族は引き裂かれ、殺される者もいました。まさに絶望的です。「この世の終わりだ」と思っても当然です。
しかしそんな状況で、彼らは聞いていたのです。復活のイエスさまの声を。「もう終わりだと絶望するな。地に足をつけなさい。そして忍耐によって命をかち取りなさい」と。(21:19)
この忍耐は、どんな非常事態にも自分を失わず、絶望せず、イエスさまに留まる忍耐です。イエスさまご自身、神に見放されて死ぬ、という最悪の事態を忍耐し、命をかち取られました。
だからこのお方に留まり、決して「もう終わりだ」などと言わず、復活の命に至るまで導いていただきましょう。