死ななくてよかった --「光は暗闇の中で輝いている」(ヨハネ1:5、イブ礼拝)

2020/12/19

受肉信仰
クリスマスは、暗闇に輝く神の信仰。神はこんな暗い自分たち人間を受け容れ、同じ人間となり、同じような暗い世界を一緒に生きてくれる。それが受肉。これは「受容」だ。神はどれだけあなたを愛しているか。何があっても、どんなに暗くても、受け入れるほどに、だ。イエスさまは人間の腹黒い悪を全て引き受けて十字架で死に、一度は闇に消えた。しかしそれでも死の闇に負けず命を愛する光として輝いた。だから命の創造主父に復活させられ今も、今夜も、生きている。光は今も輝いている。私たちの暗闇に。

闇から光、受洗決心
私は23歳の学生で洗礼を受けた。ひたすら意味を求めていた。自分は何のために生きるのか。意味がないのでは? 沢山遊び、酒を飲み、デートし、旅をし、友と出会った。だが外見によらず、心の奥には闇を抱えていた。心の病、鬱病も抱えていた。だが病気も全ては神の働く機会だった。当時私は、何の意味が感じられずがっくりきて、元気なく、心が暗く将来も見えず「もう死んだ方が楽だ、苦しみ悩まずに済む」と思うようになっていった。冬になって闇が長くなり、吹雪の夜の闇の中、とうとう死ぬ覚悟をして出ていった。ギシギシと氷が音を立てる湖に飛び込もうとした瞬間、「冷たい」と思って、死ねなかった。

その頃ある説教で聞いた。「受け容れられていることを、受け容れなさい。」「もし神がいるなら。もし信じることができるなら、こんな自分も受け容れられるのか。それはどれだけ嬉しいか」・・・そう考えていて、ふと我に返った。「あぁそうか、今、俺がこのメッセージを受け容れれば、俺はすぐに『(神に)受け容れられた者』になるのだ。」と。そして神さまの「受け入れ」宣言を受け入れる決断が始まった。

歌う人の輝き
そして私は大学寮のクリスチャンの祈りや、教会の礼拝に参加しはじめた。そして長い決心の最後は教会の礼拝体験だった。それは貧しく治安の悪い地区の教会で、窓がなく、光が上から差し込むだけだったが、その光が輝いていた。そこで会衆は「ハレルーヤ!、ハレルーヤ!」と大きく歌って福音書を真ん中で朗読するために迎えていた。そして思った。「自分は『価値がない、将来も不安で見えない』と暗闇に負けているが、この人たちはもっと辛い暗闇を横に置いて、今生きている喜びを力いっぱい歌っている。賛美と感謝を歌う相手を持っている、なんて幸せな姿だ。輝いている。こんな自分でも、力いっぱい賛美と感謝を歌うを相手、神と関係を持って、喜び歌って生きていきたい。」そう感じて最終決断した。

受容、即、クリスマス
神は人になられた。イエスさまになられた。そして人生の暗い瞬間も、人を愛して光を輝かし続けた。父に賛美と感謝を歌われた。それは暗い私の闇の中で今も輝き、私が神に歌って生きるためだったのだ。

クリスマスはただの誕生日ではない。神があなたと同じ人間になり、あなたを受け容れられる救いの出来事だ。今あなたに神は呼び掛ける。「わたしはあなたを受け容れた。だからあなたは、その事を受け入れなさい。あなたがわたしを受け入れる所、それはどこでもクリスマスだ。あなたがわたしに受け容れられる時、それはいつでもクリスマスだ。今、あなたの暗闇の只中で歌う。メリークリスマス。」






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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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