「恐ろしさのあまり気絶する 」ルカ福音書21章26 (C年,降臨節第一主日C年 )

2015/11/29

 楽しいクリスマスを教会は、楽しくないイメージで待ちます。星も月も狂い、地上の人々は不安と恐怖に気を失う。なぜもっと「感動的で楽しい」USJみたいにできないのでしょうか。
 それは、、、人間の真実が恐ろしいからだ、と主は教えます。11月13日のパリの出来事です。
 あの混雑した劇場で、酒場で、競技場で、どれだけ恐ろしかったか。どれだけ死にたくなかったか。どれだけ「人を助けるんだ」と行動したか。そして今、家族はどれだけ悲しんでいるか、、、。まさに気を失う恐ろしさがパリを襲いました。そして報道を通して、テロリストは世界中の人々にも恐怖を投げつけて爆破させました。しかも「神は偉大」と叫びつつです。この湧き出てくる復讐と憎しみの、一体どこに神は存在して、どう働かれたのか。疑ってしまいます。悪夢であってほしい現実です。
 この芸術の都パリで学んだゴッホは、精神病院の眠れぬ窓から「星月夜」を描きました。その光はまるで夜明け前に不気味に輝く、狂気と恐怖に見えます。糸杉もまた、墓地の木として死を悼んでいます。しかし、この悪夢のど真ん中に存在するのが教会であり、神なのです。
 恐ろしい悪夢の最中にこそ神は来る。だから「頭を上げろ」と、今から十字架に付けられる主は訴えます。恐怖の時こそ「あなた方の解放の時が近いからだ。」クリスマスはこの時です。

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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