「燃える炭火を彼の頭の上に置くことになる」ローマ12.20 (A年特定18)

2014/09/07


 難解な聖句です。なぜならその前後で説かれているのは愛だからです。「復讐は神に任せて、敵を愛しなさい」。嘘がない愛。迫害する者を呪わず祝福する愛。唯一の正義である神に復讐心を委ねきる愛。敵が飢えているなら養い、渇いているなら飲ませる愛。一言で言えば「悪に負けず、善をもって悪に勝つ」という愛の生き方。十字架のイエスさま直伝の「愛敵」の生き方です。
 この文脈で言われます。「そうすれば燃える炭火をその敵の頭に積むことになる。」悪人には親切によって復讐せよ、ではありません。復讐心自体を既に神様に委ねたのです。「燃える炭火」とは愛によって敵が「赤っ恥」をかいて回心することです。「ああ、こんなに愛してくれる人に、自分はなんという悪意で接してきたのか」と。
 「敵が回心するために愛せよ」ではありません。それでは未だ復讐ですし、悪人の回心なんて待ちきれない。回心は神が与えるもので人は強制できない。ただこの燃える復讐の欲求を神に委ね、敵を愛する力に変えて頂きたい。そんな人間の現実を受け止めた聖句だと私は思います。
 ちょうどそれは私達が神の敵である時と同じです。十字架上のイエスさまは、私達がどれだけ悪を行っても、聖餐式のように私達にご自分の命を与えて下さいます。燃える炭火のように私達の上にご自分の命を積み続けられるのです。そうして愛され続けて始めて私達は、赤っ恥をかいて回心し、神と人を愛し始めるのですから。

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