「万物は御子によって御子のために造られました。」コロサイ1.16 (C年降臨節前主日)

2013/11/24


 暗い家に帰ったとき「おばけさん、ただいまぁ」と言い、低い声で「おぉかぁえぇりぃ」と返事しては子どもを少し怖がらせ、ふざけています。
 でも大人のわたしも、紀伊山地の闇を一人で運転する時には、なんだか薄気味悪く、怖くなることがありました。後ろを振り返るのが恐くなったり。そんなとは「主イエス、、、」とだけ唱えます。それで不安や恐れが一掃されるように。
 「霊感」と言われる本能を通して、人は自分が抱える根源的な不安を表現します。そして様々な闇の力、悪魔的な力、罪の力の支配に怯えます。
 しかし現実はそうではない、と使徒は宣言するのです。あなたの主人イエスは、天地の全ての存在、見える存在や見えない力、お化けも悪も罪も死も、全ての力の「主人」なんだと。キリストは全ての力に勝っている。完全に支配している。だからのあなたは安心しなさい、と。
 それは、のはずのわたしたちが主人を裏切って自らが主人となり、神から離れて恐怖で死にそうになっても、です。それが罪の力、自我の支配力ですが、そんなを主は見捨てず、自ら十字架に苦しんで死に、復活して、今度は完全にわたしたちをご自分のとして支配してくれます。十字架、という弱い姿で死に、復活することで、イエス様は、弱いわたしたちを完全に支配する「主の主、王の王」となられたのです。

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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