共に苦しむ大祭司 「弱さに共苦できない方ではない」 (ヘブライ4:15)

2021/10/14

弱さ 聖餐式 大祭司

ゲセマネの園での苦悩

  「すべての心は主に現れ、すべての望みは主に知られ、どのような秘密もみ前に隠れることはありません。」聖餐式の最初にこう祈る。この言葉は今日のヘブライ書4:13から来ている。恐ろしいが、ほっとする祈りだ。

 恐ろしいのは隠れた自分の心が現れるからだ。「神の言葉生きており」、「鋭く」、心を刺し貫く剣のよう(4:12)。そしてどんな自分の過ちも弱さも「裸に」「さらけ出される」。(4:12) 自分の人生を「申し述べねばならない」(4:13)


 弱さ・・・。私なら、牧師であるにもかかわらず実はメンタルが弱い。ストレスに弱い。完璧主義で悩みやすく、悲観的になりやすい。日頃は上手に隠していても、神のみ前では、自分の弱さが現れる。これは恐ろしい審きだ。   


 だが審きは恵みのため。私たちと神との間には共に苦しみ、共に祈ってくれる「大祭司」イエスさまがいる。(4:14)この大祭司は「弱さに共苦(同情)できない方ではない」。自分だけ強いお方ではない。すべての弱さにおいて私たちと共に試練を受け、共に苦しみ、共に祈られる。ゲセマネの園では、天使に助けられるまで私たちの弱さを共に苦しまれた。そして死の苦しみに至るまで、私たちの弱さの全てを共にしてくださる。だからほっとする。


 イエスさまは私たちの、誰にも言えないプライベートな弱さにあって、共に苦しみ、共に祈ってくださるお方だ。


 この大祭司の父は、私たちの祈りを必ず聴き入れられる。「大胆に恵みの座に近づいて」(4:16)祈ろう。大祭司である神のみ子と共に、子どものように素直になって。




パオロ・ヴェロネーゼ 「ゲセマネの園での苦しみ」1582-3年、ブレラ絵画館、ミラノ、イタリア。

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