静けさの声 「純粋な静けさの声があった」王上19.12 (大斎節前主日)

2018/02/11

 人間の暗さを神はここまで承知の上で用いられる。正直ほっとさせられる信仰者の姿だ。  
 大預言者エリヤが鬱状態だ。殉教する勇気もない。バアル崇拝者との対決後、王妃イザベルに命を狙われ、恐怖から北王国から南王国へ、さらに南のシナイ山まで逃げてきた。そして勝手に燃え尽き、絶望して死を願い、仲間に見捨てられた孤独感に苛まれ「自分は情熱を傾けたのに」と神に徒労感を嘆く。まるで教会生活や宣教活動に疲れた信徒聖職のようだ。  
 しかし神は怒りにまかせて暗い心を懲らしめない。風や地震や火で、人間の暗さを吹き飛ばされない。代わりに全ての騒がしさが過ぎ去った後の「純粋な静けさの声」として、主はエリヤに臨まれた。神は騒しさではなく静けさだ。恐怖、不安、絶望、不満、、、心が騒がしくなる以前に、彼の存在を肯定する有りて在る者だ。この安心の中で、暗い心は受容され、遣わされる。  
 イエスさまは100%の人間だ。殺される使命と恐怖を感じた時、まず山に逃げ、退却されたのではなかろうか。そしてエリヤの神の「静けさの声」を自ら聞いて騒ぐ心が鎮められ、力づけられ、再び遣わされた。その時、静けさの声は愛の宣言に聞こえた。「お前はわたしの愛する子!」  
 心騒ぐ日、静けさこそが、神の愛を宣言する。

このブログを検索

そのほかのメッセージ

ラベル

復活 十字架 神の愛 聖餐式 イエス 信仰 受肉 祈り 三位一体 神の国 聖霊 アッバ 癒し 赦し キリスト 委ねる 悔い改め 救い 自分らしさ アブラハム クリスマス ゲセマネ 勝利 召命 変容 恵み 悪霊 教会 昇天 神の子 羊飼い 解放 ぶどう園 インマヌエル ゲッセマネ 兄弟姉妹 喜び 大祭司 奇跡 嫉妬 子ども 弱さ 忍耐 悔い改め、荒れ野 悪魔 感謝 放蕩息子 洗礼 洗礼者ヨハネ 神の支配 行い 過ぎ越し 陪餐 うつ かみのくに からし種 み名 み心 アダム イスラエル エリヤ ガリラヤ サマリア人 ザアカイ スキャンダル タラントン タリタクム トマス パン裂き ピスティス ペテロ ペトロ マリア マルタ メシア ヤイロ ユダ ユーカリスト ラザロ 不安 不正な管理人 主の祈り 今ここに 伝道 信頼 偶像 共感 再創造 再臨 出エジプト 創造主 十戒 受難 境界線 天国 奉仕 奉献 婚宴 宣教 希望 平安 律法学者 従順 忠誠 憐れみ 懺悔 成就 戒め、山上の説教 承認欲求 招き 新しい創造 最後の晩餐 栄光 楽園 権威 歴史 毒麦の譬え 洗足式 灰の水曜日 無力 父、三位一体 独り子 生きる意味 疑い 病い 真理 礼拝 祝福 神の家 神の言葉 神殿 祭司 種蒔き 絶望 聖書 自己肯定 自由 苦難の僕 裁き 見失った羊 覚悟 親密さ 観想 記憶 誓約 誘惑 譬え 貧しい人 貧しい人、共有、復活 賜物 賢明さ 迫害 追放 重荷 障害 静けさ 食卓

自己紹介

自分の写真
大津市, 滋賀県, Japan
聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

日本聖公会京都教区 大津聖マリア教会

Wikipedia

検索結果

コメント

名前

メール *

メッセージ *

Tags

QooQ