「崖まで連れて行き突き落とそうとした」ルカ4:29 (顕現後第四主日)

2016/01/31


 ほんの数分前までうっとりと「イエスを褒め、その口から出る恵み深い言葉に驚いていた」会衆が、一体なぜ急に怒り狂って説教者を連れ出し、崖から突き落とそうとしたのでしょうか。
 それは二人の預言者の使命を自分の使命として語ったからです。一人はエリヤ。大干ばつでイスラエルの皆が飢える中、神が預言者を遣わしたのは、よりによって貧乏で汚れた異邦人の寡婦と息子だけだった。もう一人はエリシャ。イスラエルの民の多くが皮膚病で苦しむのに、神が癒したのは敵のナアマン一人だけだった。つまり「わたしもあなたがたイスラエルの民にではなく、もっと広く他の全ての異邦人に恵みを与えるために遣わされた」と言ったからです。
 「他者の利益が自分より大きい。」そんな「広すぎる恵み」を私達は怒って拒絶します。悪魔は人に自分の利益を最優先させます。この悪魔とキリストは戦ったのです。だから悪魔が誘惑するように、崖から突き落とされかけました。
 イエスさまは十字架上で再び「医者よ、自分自身を治せ」という「自分の利益優先主義」に通ずる「もし神からのメシアなら自分を救うが良い」という言葉で罵倒されます。それでも自分の救いより他人の救いを求めて死なれたこの方を、神は復活によって守りました。そしてこの「広すぎる恵み」を全民族に与え始めたのです。
 どうか私達が「自分よりも人に」という恵みを、崖から蹴落とさずに、心に受け取れますように。

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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